企業防衛業務

企業の安定的・永続的な発展のために、経営者は適切な「リスクマネジメント」をこころがける必要があります。
ここでは、生命保険を活用したリスクマネジメントのポイントをご紹介します。

経営者が企業経営上抱える人材損失リスクは、大きく次の5つに分類できます。自社の状況と照らし、不足している部分があれば、すぐに対策を講じる必要があります。

運転資金対策

経営者が万一の時に後継者が円滑に事業を継承できるよう、当面の人件費(従業員の給与など)やその他事業継続にかかわる資金などの運転資金の準備が必要です。

ポイント

運転資金とは、従業員の給与などの人件費とその他事業継続に必要な資金を指します。
経営者が万一のときに、従業員の給与を何ヵ月分用意しておくのか、その他の緊急予備資金はいくら必要なのかを考慮する必要があります。
保険商品で経営者が万一のときの運転資金を準備する場合、受取保険金には法人税等がかかりますので、納税準備資金を考慮する必要があります。

借入金返済資金対策

金融機関から事業資金を借り入れている場合は、経営者が万一の時の返済資金準備が必要です。

ポイント

「会社を清算する場合」「後継者が事業継承する場合」ともに、借入金返済資金を確保する必要があります。

後継者がいないため会社清算が予想される場合、借入金を一括返済することも考慮する必要あり
 (経営者が個人保証をしている場合、残された家族に債務が引き継がれることも)
 後継者がいる場合、事業を軌道に乗せるまで一時的に売上げが減少し、引き継いだ借入金の返済が困難になることも

※上記は想定されるケースです。

保険商品で経営者が万一のときの返済資金を準備する場合、受取保険金には法人税等がかかりますので、納税準備資金を考慮する必要があります。

役員退職慰労金対策・弔慰金対策

経営者が勇退後に豊かな老後をおくるための生存退職金として、また万一のときに残されたご家族の生活を支えるための死亡退職金として、役員退職慰慰労金および弔慰金の準備が必要です。     

ポイント

役員退職慰労金には、役員の勇退時に支払われる「生存退職金」と、死亡時に支払われる「死亡退職金」があり、その算定方法は一般的に同じ方式をとります。
過大な役員退職慰労金は、損金算入を否認されるケースがありますので、あらかじめ適正額の算定を行う必要があります。また、支給根拠を明確にするために「役員退職慰労金規程」を作成しておくことをおすすめします。
死亡退職金とは別枠で「弔慰金」を支払う会社も多く見られます。この場合、弔慰金として損金処理するには、死亡退職金との区分を明確にしておく必要があります。

事業承継・相続対策

経営者の相続財産に自社株が含まれるケースは多く、その評価額が思いのほか高額になることも珍しくありません。スムーズな事業継承のためには、自社株買収資金の準備などの対策が必要です。

ポイント

経営者が万一のとき、取引相場のない株式(自社株)の評価は、相続税法の定めるところによります。
その評価額が高い場合、後継者などの相続人に多額の相続税がかかり、事業承継に支障をきたすおそれがあります。
そこで、後継者が受け取った自社株を会社が買い取り、その代金を納税資金にあてる方法が、有効な対策の一つとして考えられます。
保険商品で経営者が万一のとき自社株の買取資金を準備する場合、受取保険金には法人税等がかかりますので、納税準備資金を考慮する必要があります。

福利厚生対策

従業員が安心して働ける職場にするには、退職金などの福利厚生制度を充実させることが大切ですが、一時的に多額の費用が発生し業績に悪影響を及ぼすことのないよう、計画的な準備が必要です。

ポイント

従業員の福利厚生としては退職金制度が一般的ですが、退職金には中途退職時や定年時に支払われる「生存退職金」と、死亡時に支払われる「死亡退職金」があります。
保険商品などを活用し退職金を準備することで、計画的かつ確実に退職金を支払うことができます。